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園長つうしん(令和3年4月号)

園長つうしん

ご入園ご進級、まことにおめでとうございます。桜の花が舞い散る春らしい温かい

日が、園児たちの姿を明るく照らします。

さて年度はじめの挨拶は、当学園の理想とする子どもの姿、「みんなのなかで、し

たいことを出来る人」についての説明をさせていただきます。

「みんな」とは、家族、友達、クラス、幼稚園、しいては一般社会の集団を指し、
「したいことをする」とは、その「社会」で自分なりの自己発揮することです。
決してワガママを通す「自己中心的行為」ではなく、自分の意志を押し殺した「自
己否定的同調行為」でもありません。
IT化・AI化、少子高齢化など、変動性・不確実性・複雑性・曖昧性に満ち溢れ
た予測困難な未来社会でも、自分自身の個性を輝かせて、社会の中で活躍したり幸
福に生きたりする人間になることを意味します。


「日本型学校教育」と言われるこれまでの日本の教育は、「知・徳・体」を一体的
に指導する教育で、世界の中でも優れた実践だと言われていました。
例えば、子どもがみんなの為にする放課後の掃除活動や、学校の教育と共に力が入
っているクラブ活動、クラス一体となって取り組む体育祭などの活動は、実は他国
の学校ではあまり見られません。
ただ、受験戦争と揶揄された、「より高く・より良く・より早く」を目指す傾向が
行き過ぎ、「みんなと同じことが出来る」、「言われたことを言われたとおりにでき
る」、「正解(知識)の暗記」という弊害が生まれてきました。
また社会も変化してきて、特別支援、多様な人種や性など子どもの多様化が当たり
前になり、共働き・核家族化・貧困など家族の環境も変化し、いじめ・不登校の問
題(しいては自殺)も浮き彫りになってきました。


その「日本型学校教育」の問題を解決するため、「令和の日本型学校教育」という、
新たな方針が提示されました。
それは、「個別最適な学び」という個々の子どもの興味やスキルに応じた援助・教
材提供を行なう教育と、「協働的な学び」という直接的体験のなかで子ども達が協
働する学び、二つの学びを相互に織り交ぜる教育が「令和の日本型学校教育」です。


実はこの「令和の日本型学校教育」は、自分のしたいことを追求し、みんなと話し
合って進める当園の保育を、もっと推進しなさいと言われていると思っています。
今年度の庄内こどもの杜幼稚園の目標は、この「令和の日本型学校教育」にある個
が輝き、集団も輝くような保育を進めたいと思います。
どうかご協力の程、宜しくお願い致します。