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園長通信(令和6年7月号)

園長つうしん

園長つぶやき~園関係者が「みんなのなかで、やりたいことをする人」に~

梅雨らしいあえ雨模様と夏らしい暑さが入り交じる湿っぽい時期となりました。

そんな季節でも、各クラス子どもたちの関係が深まった遊びが見られだしました。

 

さて先月の社会ニュースで、昨年度合計特殊出生率が、全国1.20、大阪1.19、東京0.99と、過去最低を更新した報道と一緒に、一般企業の学生就職活動が解禁され、もうすでに5割弱の企業内定が出ているという報道が出ていました。

 

そして意欲ある若者たちが社会に元気に旅立つ報道の傍ら、昨今のアメリカの若者たちに「静かな退職(Quiet Quitting)」という言葉が流行っているそうです。

 

この「静かな退職」というのは、黙って退職するという意味ではありません。

実際に退職をせず、仕事に対するやりがいや熱意はなく、退職が決まった従業員のような余裕をもった精神状態で働くことをいいます。

怠惰や業務放棄でもなく、従業員が職務範囲を線引きし、プライベートと仕事のバランスを保つ新しい働き方の一つと捉えられています。

過剰労働やワークライフバランスを崩すような働き方を否定する世の流れの中で、自身の働き方を調整し、健康と生活の質を守る手段として「静かな退職」を選択する人が増えているのです。

 

ただ「静かな退職」をネガティブにみると、自分のテリトリー外を手伝わない・助けない・何もしない・意欲を持たないという状態になります。

この「静かな退職」状態の人が多くなっている場所は、企業だけでなくPTA、自治会・町会、公的団体、私的団体等の団体でも多く見かけます。

 

でも最初から「静かな退職」状態になる方は少ないと思います。

以下のような状況が、「静かな退職」を生み出す環境です。

 ・言っても無駄:意見を出す機会がない。意見を出しても何の反応もない。

 ・聞いても無駄:意義や目的を聞いても誰も分からない。

 ・いても無駄:自分の役割がなく、いてもいなくても一緒。

所属組織に対して目的が分からず、また自分自身が他人の役に立つ、他人に喜んでもらう感覚がない状態が、「静かな退職」を生み出す原因の一つです。

この状態が続けば、組織にも自分自身に対してもあまり有益ではなさそうです。

当園の目指す姿「みんなの中でやりたいことをする人」になることは、「静かな退職」を防ぐ、生み出さない力になると信じています。