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園長通信(令和5年12月号)

園長つうしん

園長つぶやき~園関係者が「みんなのなかで、やりたいことをする人」に~

 暖かい日から急激に冷え込んだ11月が終わり、もう年末の12月になりました。

子ども達の成長を見ると、1年間の流れの早さを感じざるを得ません。

 

さて先月に懸念を示した不登校に関連した話かもしれませんが、今月のお話テーマは「メンタルの強さ」についてです。

メンタルが強いと言われている人でも、無感情ではなく、当たり前ですが様々な事象や言動に対して本人なりの喜怒哀楽を示します。

メンタルが強い人がどんな人なのかは様々な考えがありますが、何を言われても平気な人ではなく、自分の感情がどういう状況かを具体的に言語化できる人だと言われています。

 

『ルポ 誰が国語力を殺すのか(文藝春秋・石井光太)』では、読解力の低下を現代の子どもの実態をあげながら説明していますが、その中で 「不登校、行きたくない理由が「わからない」」というような現状があるそうです。

自分の思いを言語化できない、なので自分の思いを相手に言葉で伝えられない。

言語化できない感情は自分自身の心を惑わすモヤモヤとなり、そのモヤモヤに対し過度な悲しみや怒りの発露や、逆に心に蓋をする無感情で自分の心を防衛します。

誰でも生きている限り、頻繁にモヤモヤは生まれます。

そのモヤモヤ解消の一番は、モヤモヤ自身を言語化して表出することですが、それは最近流行り言葉である「ウザい・ヤバい・キモい」で出すことではありません。

単に腹が立った、嫌だったというだけではなく、なにが腹を立たせたのか、なにが嫌だと思わせたのかという、反射的に出る感情のもう一つ奥の感情を認知し、それ「その発言は、私の大切にしている気持ちを害しているよ」のように語ることです。

感情をしっかりと言語化して、それを適切に伝えられる人は、感情をコントロール出来る人で「メンタルが強い人」となるでしょう。

 

感情をしっかりと言語化できるようになるには周りの人が重要です。

相手が感情を考えて表出できるように、焦らず、決めつけずに、 相手の発言を待ちながら感情を聞くことです。

日ごろ我々は子どもに対して、「学校に行ったのか」という事実を聞くことは頻繁にしますが、「学校はどうだったか?」というようにその時にどう思ったかという感情を聞くことはあまりしません。

子どもが「メンタルが強い人」になる第一歩は、自分の感情に向き合うことです。そのため、まずは大人の子どもへの聞き方を変えるところから始めてみませんか。