TOPICS

園長通信(令和5年9月号)

園長つうしん

園長つぶやき~園関係者が「みんなのなかで、やりたいことをする人」に~

今年の夏は、恒例行事だった高校野球や夏祭り等が制限なく実施されました。

それらのイベントに、ご家族で楽しまれた方も多かったのではないでしょうか。

 

今年の6月頃から、様々な感染症が新型コロナウイルス以上に流行しました。

今年度の流行は、世の中的に感染対策が重要視されていなかったコロナ禍前でもここまでの流行はありませんでした。

公的な発表には「コロナが5類に移行し人の交流が増えたこともあるが、新型コロナ対策の影響で、感染症の一昨年から流行感染症がなく、その免疫をもつ人が減っていた。」ということが言われています。

新入園される方々に、「最初の一年は、集団生活による感染症の免疫がないので、お呼び出しの連絡がよくあるかもしれません」とお伝えしています。

病気は基本的に薬で治すのではなく、体の免疫(抗体)で治します。

感染症にかからないことを前提にした生活は、病気に罹患しながら抗体を得る獲得する機会を失いました。

 

また、コロナ禍でもう一つの成長に影響が出たと言われていることがあります。

それは人々が交わって獲得する「社会性」です。

幼児期がコロナ禍中だった5歳児が「流行前と比べ発達が平均4.39カ月遅れていた」という研究結果を京大が出しています。

「社会性を身につける時期に、保護者以外の大人や友達とふれあう機会が減ったからではないか」という考察です。

我々も全体的な幼さを感覚的に感じていましたが、一つの研究結果として社会性を学ぶ子ども時代に、「人間同士のかかわり」がなくなることは致命的であるということが証明されました。(ベネッセ調査:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001160.000000120.html)

 

昨今、若者の「レジリエンス(困難をしなやかに乗り越え回復する力(精神的回復力)」が低くなっているという論調があります。

イヤなことがあっても気持ちを切り替えてやっていける力である「レジリエンス」が低いと、不登校、ニート、引きこもりになる比率が増えます。

皆さんも経験があると思いますが、園・学校・職場等で相手のちょっとした言い方や態度いさかいやもめ事に傷ついたことがあると思います。

そんな時、「いじめ・違法行為」のようなものは別ですが、親しい家庭や友達等に気持ちを吐露しながら「行きたくない」と思う気持ちに整理をして、自分で立ち直られたことはあるかと思います。

子どもの「レジリエンス」が向上する方法、ご家庭でも考えてみてください。