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~庄内こどもの杜幼稚園の見えない秘密(杜の子ども会)~

園長つうしん

  1. 今回の見えない秘密は、「杜の子ども会」についてです。

 当園では、年に7回、全園児の0歳児から5歳児までの子どもたちを、住んでいる地域を参考に7つのグループに分け、一日ともに活動をしています。基本的にこのグループは、進級しても移動は少なく、出来るだけ同じメンバーで過ごします。(乳児は人数が少ないので、地域ではなくクラス数案分して分けていますが)

 今や子ども会も死語になりそうな時代となってきていて、保護者の皆さんの中には、子ども時代に子ども会の経験がないという方もおられるかもしれません。

 この庄内地域では子ども会が残っている自治会はほとんどなく、特にコロナ禍のため存続していた子ども会自体の活動も止まってしまいました。

 さてそんな時代にある中、なぜ杜の子ども会を実施したかというと、単なるイベント的に子ども会体験させたかったからではありません。それは、子ども会で経験したであろう、通常の同年齢クラスでは経験しえない人間関係を、この時期の子どもにこそ体験して欲しいと願って実施しました。

 

 その通常の同年齢クラスでは経験しえない人間関係の一つは、地域の人間関係です。地域のあそび場で「ガキ大将」中心に縦の関係性が作られ、異年齢の遊びがなされていた時代もありました 。今はもう見かけられないこの地域の人間関係が、小学校に行くまでに構築され深まることは、大事な財産になると思います。

 

 もう一つは、自分たちと認知が大きくかけ離れた人間同士での対話を経験することです。当園の子ども会では、年上の子どもが年下の子どもの離乳食をあげたり、着脱や排泄のお世話をしてあげることがあります。低年齢の子どもだと他人の意見を聞かず、一方的な自己中心的な主張をすることもあります。年下の子どもは、やっててほしいことを言葉で言えないこともある中、年上の子どもはしぐさや表情で年下の子どもの意図を読み、相手の反応をうかがいながら行動調整します。

 これは、やや対話困難な相手との言語のない対話経験で、今の世の中、家族で兄弟が多い状態でなければ、あまり出会わない体験しないことです。でも実はこの経験、社会に出た時に当たり前にある経験です。自分と倍ほど違う相手や、様々な考えの相手と話し合ったり、仕事をする経験でもあります。育児経験も同じです。

 

 杜の子ども会が、幸せな地域や社会、敷いては自分の子育てにもつながればと願っています。