園からのおたより
園長通信(令和5年7月号)
園長つぶやき~園関係者が「みんなのなかで、やりたいことをする人」に~
もうすっかり夏日の日々となり、いよいよ本格的な夏を迎えたようです。
それでも園児たちは夏の暑さに負けず、毎日活動的に過ごしています。
まだまだ続くウクライナ紛争報道の間に、孤独であるが故に子どもが虐待死される悲しい事件がありました。虐待死させた保護者の様相は、どうも世間とのつながりが豊かではないケースが多いようです。
人は一人では豊かには生きてゆけません。
幸せとは言えない結果を迎える人達は、人とうまくつながることができず、様々な苦しみを解消できず、ずっと持ち続けているような気がいたします。
以前人とつながるコミュニケーションには「聞く」と「話す」だととお伝えしましたが、謙虚を美徳とする日本人は、特に「話す」が苦手であると言われています。
人とつながるための大切な「話す」の要素は、以下の二つです。
・自分のしたいこと・思うことをきちんとわかりやすく伝えられる。
・伝える時に聞き手に対するリスペクトを忘れず、相手の理解度を気にする。
・特に感情的になるときほど、意識して発言する。
この「話す」に対する良いモデルとなりえるのが、先月テニスの全仏オープン混合ダブルスで優勝した加藤未唯さんが、皆さんの記憶に新しいではないでしょうか。
加藤未唯さんは、女子ダブルスでボールガールにボールをぶつけたことで失格となりながらも、次の混合ダブルスで優勝されましたが、その大会中の会見やインタビュー等の「話す」対応がとても秀逸でした。
・自身の悲しみを伝えているが、相手チームの行為に対する批判はしていない。
・失格判定過程に関して異議を申し立ててはいるが、ルール自体の異議ではない。
・大会関係者、審判、レフェリー個人に対するクレームは言っていない。
・ボールをぶつけてしまったボールガールやともに失格になったペアパートナーだ けでなく、失格の時に対戦した相手にも敬意を持った発言をしている。
テニス4大大会の失格という、大きな失意の中で語られた加藤未唯さんの「話す」対応は、親しい人たちだけでなく、観衆や報道、大会関係者ともつながりを持てたと感じます。
自分の思いを押し殺して言わずに終わらすのではなく、かといって相手に不快な気持ちを抱かせるような伝え方でもなく、とても共感を得られる「話す」対応は、私自身あやかりたいと思いました。
皆様も自分のつながる「話す」について、一度思い返してはいかがでしょうか?
2023年7月3日