TOPICS

~庄内こどもの杜幼稚園の見えない秘密(当園の文字教育について)~

園長のめせん

 今回の見えない秘密は、「当園の文字教育」についてです。
 「文字教育」というのは、平仮名、片仮名、漢字、数字、アルファベット等の文字の読み書きを教えることを指します。たまに保護者の方から質問されることがあるので、当園の実際の状況を踏まえてお答えしたいと思います。

 さて結論から申し上げますと、保護者からの「文字教育」に関する質問には、「当園は文字教育をやってはいますが、小学校以上で行うような一斉授業のような形態ではなく、実生活に利用しながら行っています」と答えています。

 ではどのように実生活に利用しているかをいいますと、例えば自分のロッカーには目印シール(ちょうちょや船など)と平仮名の名前が貼ってあります。
 文字の読めない子どもは、自分のモノを判別するのに色・形・匂い(自分の服や自分の水筒等)で覚えます。その自分のモノの形を簡略化したものが目印シールです。その目印シールの側に自分の名前である平仮名があると、だんたん平仮名が自分の名前と認識していきます。年長頃になると、目印シールがなくても自分の名前である平仮名で自分のものと判断します(読めなくても形で認識します)。
 何度も何度も自分の名前の平仮名を見るうちに、「きたじま」という名前を「き」「た」「じ」「ま」と一文字一音を理解していきます。
 もちろん自分の名前以外でも、文字を獲得する機会はたくさんあります。日ごろの遊びの中で好きな絵本の読み聞かせや自分で手紙を書いたりする遊び、あるいは部屋や屋外などにある様々な標識や文字、日常生活で行う会話も子どもの語彙を増やします。
 
 また各クラスに設置する時計も、数字が記載されるデジタル時計と、時間間隔がわかる短針・長針のアナログ時計の二つ設置しています。それらも身近な生活で数字を使い、数字の量的感覚を体感することに繫がります。

 小学校になれば、文字の書き方は必ず学習します。なので小学校に行くまでは、文字に楽しく親しみながら関わり、生きた語彙数を増やす経験こそが乳幼児期の文字教育です。
当園の保育は、単に表面的な文字そのものだけを教えるのではなく、体験的に文字を活用しながら出会える場を、意図的にたくさん作ってあげたいと考えています。